UAVの登場、i-Constructionの推進等によって、例えば写真測量は精密な地形測量以外の分野への利用も拡大し、測量成果(地形図データ)は社会基盤情報としての利用が拡大、測量は社会の発展に益々貢献しています。この発展を健全に進めるには、最新の測量技術や測量成果に対する理解を深める必要があり、用語の理解が欠かせません。
例えば、測量では「観測」という用語を用いますが、この用語により地球上にある位置や地形・地物を測っていることが理解できます。「測定」という用語も多用されますが、この用語により基準に従って精密に測っていることが理解できます。
そこで、2022年1月に公開した『測量計画機関向け地形測量成果の特性』に記載していた用語解説を加除修正し、ここに「地形測量用語集」として公開しました。測量技術の発展及び社会基盤情報による社会貢献に寄与できれば幸いです。
2024年3月1日 津留 宏介
i地図通信の読者から「SfMとは何ですか」に答えるにあたって、新たな用語を定義するとともに、いくつかの既存定義を修正した。
修正:作業規程の準則、三次元形状復元、測量、ボアサイトキャリブレーション、SfM、SfM/MVS、Structure from Motion
追加:移動局、キネマティック法、写真計測、写真測量、多視点ステレオ写真測量、フォトグラメトリー、Photogrammetry、SfM写真測量、UAV写真測量、UAV写真
i地図通信の読者から「地形測量用語集から用語を引用する時に、引用先が簡単に示せるようにして欲しい」との要望が寄せられ、『地形測量用語集』から『アいちず地形測量用語集』に名称を変更しました。
『測量計画機関向け地形測量成果の特性』(2022年1月)を転写
修正:較正、初期化、走査角、「本冊子」と限定していた用語
追加:色付け、過誤、偶然誤差、計測データ、系統誤差、検査、三次元点群データ、大誤差、点検、標準偏差、不規則誤差、不定誤差、ボアサイトキャリブレーション、ミスアライメント、ランダム誤差、ラインカメラ、レバーアーム
削除:面航空写真、帯航空写真、DF
空中写真や地形図間で、位置が明瞭な箇所を写し取ること。
広義では水平位置と標高の総称、狭義では水平位置をいう。
→ 水平位置、標高
衛星測位のキネマティック法において、移動する観測点をいう。
→ キネマティック法、固定局
レーザ観測値の属性に、写真画素の属性である色を転写すること。
カメラで撮影できなかったりレーザ測距儀で観測できなかったりする箇所
人工衛星の一種である測位衛星から発射される測位電波を用いた地球上の位置の観測方法。
→ 測位衛星、測位電波
フィルムと同様に面的な広がりがある固体撮像素子(CCDやCMOS等)によって被写体が画像化されるカメラ。一般的に使用されているカメラが、エリアカメラである。エリアカメラやエリアスキャンカメラとも呼ばれる。
→ ラインカメラ
三次元計測データに対し、ジオイド・モデルの誤差の較正した三次元点群データ。
→ 三次元点群データ、三次元計測データ、ジオイド・モデル
→ 正射画像
→ 正射画像
地上座標系で決定された写真の位置と姿勢。
間違った操作や読み間違いにより生じる誤差。
慎重に測定すれば発生することはない。
大誤差とも呼ばれる。
ジャイロによる角速度と加速度計による加速度とによって移動経路を観測する装置。
→ 直接定位
地球上での角度、距離、高低差、重力等の量の測定。
→ 測定、読定
慣性計測装置を使用した測量。
→ 慣性計測装置
測量の基準とするための位置を示した永久標識。恒久的に利用できるように埋設、保全される。狭義では、地球上の水平位置を示すものをいい、基準海面からの高さを示す水準点と区別される。
立体を構成する写真の主点間を結ぶ線。
写真基線、主点基線などとも呼ばれる。
→ 主点
立体写真を構成する写真間の距離を対地高度で割った値。
標高精度の指標。
衛星測位の一手法。固定された既知点(固定局)と移動する観測点(移動局)において測位電波を観測し、移動局の移動位置の座標を求める
→ 固定局、移動局
すべての測量の基礎となる測量で、国土地理院の行うもの。
→ 較正
測量機器の中心と地上の標識中心とを同一鉛直線上にすること。
被写体、レンズの中心、写真に写った被写体が、一直線上にあるという写真の幾何学的特性。
特定の点が、立体写真に写った点で構成される面と、写真が交差する所の線。片方の写真の点は、もう一方の写真上では共役線上のどこかに存在するという幾何学的な法則を示す。エピポーララインとも呼ばれる。
写真同士をつなげる役割をする点。
航空写真測量では、航路上でつなぐ共役点をパスポイント、航路間でつなぐ共役点をタイポイントと呼び、近接写真測量では航路の概念がないため、全てタイポイントと呼ぶ。
地形学的な分類で、規模がおよそ10m以上、100m未満のものをいう。
→ 微地形、超極微地形
原因が特定できない測定値のバラツキ。
絶対値が等しい誤差は、発生確率が等しく、絶対値が小さい誤差ほど発生確率が高いなどの性質を持つ。平均は0で、バラツキは正規分布として取り扱うことができる。
不定誤差、ランダム誤差、不規則誤差などとも呼ばれる。
→ 不定誤差、ランダム誤差、不規則誤差
撮影された写真の位置と姿勢(外部標定要素)を求める測量手法。
→ 外部標定要素
航空機や衛星、飛行船等を使用して空中から撮影した測量用の写真。
→ 航空写真
空中写真を使用した地形図作成手法。
→ 空中写真
航空機や衛星、UAV等を使用して空中からレーザを照射して地表面を観測する方法。
航空レーザ測量、UAVレーザ測量、UAVレーザ点群測量が、公共測量では規定されている。
ある特定の原因によって測定値が偏る誤差。
原因が分かれば除去できる。
観測落ち。
→ 脱落
基準に照らし、適不適や異常・不正の有無などをしらべること。
公共測量では、測量計画機関による測量成果の受け入れ検査をいう。
地表面のみの三次元点群データ。
主に航空レーザ測量において、オリジナルデータから支障点を除去したデータ。
→ オリジナルデータ、支障点、支障点除去
格子状に配列された標高値の集合。
→ 三次元計測データ
地形図を作成するための基となる画像で、カメラで撮影された写真及びレーザ測距儀で観測された三次元点群をいう。
カメラ及びレーザスキャナ
→ 原画
→ 航路
基本測量以外の測量のうち、小道路若しくは建物のため等の局地的測量又は高度の精度を必要としない測量で政令で定めるものを除き、測量に要する費用の全部若しくは一部を国又は公共団体が負担し、若しくは補助して実施するもの。
→ 基本測量
公共座標系における座標
→ 公共座標系
公共測量座標系の略称
→ 公共測量座標系
平面直角座標系の公共測量への適用における俗称。
→ 平面直角座標系
航空機を使用して空中から測量。
航空写真測量、航空レーザ測量をいう。
航空機を使用して空中から撮影した測量用の写真。
→ 空中写真
データを目的とする構造に加工すること。
測量では、地形図データを主題図表現や空間解析のために加工すること。
測定機器間の相対関係を得るための測定を行うこと。
相対関係には、相対座標系での位置(レバーアーム値)と回転量(ミスアライメント値)がある。
キャリブレーションとも呼ばれる。
→ レバーアーム、ミスアライメント
航空測量において航空機が撮影や観測のために移動した軌跡。
測量分野では、コースと呼ばれる。
誤って観測された点。
三次元点群作成では、太陽光や水蒸気、マルチパス等による反射で発生した観測値。
→ 不要点
半導体チップの集積回路による光電変換装置(イメージセンサ)。
CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサが実用的に利用されている。
衛星測位における基線解析において基準となる座標を持つ点。
一般には、電子基準点や三角点が固定局として使用される。
→ 電子基準点、三角点
非線形最小二乗法を使って設定した任意の範囲同士に対する輝度と幾何形状の変換を行い、その残差の和が最小となるところを同一箇所とする手法。
測量法の第33条に定められた測量計画機関が公共測量を実施する場合に、あらかじめ定めなければならない規程で、国土交通大臣の承認を得た観測機械の種類、観測法、計算法等を定めたものでなければならない。
→ 測量計画機関
国土交通大臣が定める公共測量を実施する場合に則るべき規則。
公共測量のための作業規程の雛形。
作業規程の準則には、国土調査のためのものもある(国土調査法第三条)。
基本測量によって設置された水平位置の基準となる永久標識。
四つの等級に分類され、概ね一等は25km、二等は8km、三等は4km、四等は2km間隔で、数値の小さい等級順に、ひとつ小さな等級を固定して測量が行われ、水平位置が決定されている。
設定した任意の範囲同士に対して画素値の差分を求め、その差分の絶対値の和又は二乗和により同一箇所かを判定する手法。
SSDA 法(Sequential Similarity Detection Algorithm)とも呼ばれる。
直接定位のみによって位置が与えられた状態の三次元点群データ。
公共測量作業規程の準則では、令和5年の3月31日一部改正から「計測データ」と名称変更した。
多視点から撮影された写真を用い、被写体の写実的な表現を可能とする、三次元の点の集合(一般的には「三次元点群データ」と呼ばれる)を作成する手法。写真測量に例えれば、空中三角測量と自動標高抽出を一体として処理する三次元点群データの作成手法。
→ SfM、SfM/MVS、UAV写真点群測量、多視点ステレオ写真測量、SfM写真測量、フォトグラメトリ-。
写実的な三次元座標値の集合。
ここで「写実的」とは、地形・地物をありのまま表現しようとする様をいう。
公共測量作業規程の準則では、ランダムポイント形式のオリジナルデータと呼ばれるデータに該当する。
平均海水面に一致する重力の等ポテンシャル。
日本では、東京都中央区霊岸島の量水標で1873年6月から1879年12月までの平均潮位が、平均海水面とされている。
格子状に配置したジオイドデータ。
特に説明がない場合は、国土地理院が提供されるものをいう。
立体を構成する写真に写った同一箇所をどちらかの写真に投影したときの点間距離。
→ 横視差、縦視差
立体を構成する写真に写った異なる点の横視差の差。
視差々により標高を求めることができる。
→ 視差、横視差、縦視差
誤測点と不要点の総称。
→ 誤測点、不要点
三次元点群データからの支障点の除去。
測量分野では、フィルタリングと呼ばれる。
→ 支障点
→ 立体写真
三次元の測量成果を、回転させて表示すること。
視点を変えながら表示されることで、測量成果を三次元で認識する。
→ 複合表示
立体写真に写っている同一箇所を検出して標高を生成すること。
作業規程の準則に規定されているが、具体的な方法は示されていない。使用写真が2枚ならステレオマッチング、3枚ならトリプレットマッチングと呼ばれる。同一箇所検出には、相関係数による方法、残差逐次検定法、最小二乗マッチングが知られている。
→ ステレオマッチング、相関係数による方法、残差逐次検定法、最小二乗マッチング
異なる測地座標系で決定された同一位置の座標のズレ。
衛星測位の登場で異なる測地座標系が使用されるようになり、それらのズレを現場ごとに補正するようになった。
写真地図の別称。偏わい修正により写真をつなげた画像を、写真地図と区別しするために使われることもある。
写真を使って、長さ・重さ・容積などを量ること(『広辞苑』の“計測”に基づく)。
写真を使って被写体の形状や性質を調べる技術の総称、形状を測定し図示する技術を狭い意味の写真測量と呼び、形状を点として高密度に測定して点群として図示する技術を標高抽出、写真を正射投影に変換する技術を正射変換、性質を調べる技術を写真判読という(田島稔編『図解 測量用語辞典』に加筆)。
正射影の画像あるいは正射影の画像を結合して一幅の大きさにした画像。
→ 正射影
衛星測位を行う際に受信アンテナに測位電波が届く範囲をいう。上空視界が広ければDOPの値がよくなり、衛星測位の精度が向上する。
→ DOP
写真撮影において被写体からの光が固体撮像素子に結像する際、理想的な幾何学的変換が行われず、像に色づきやボケ、歪みが生じること。
多くの正射変換された写真をひとつにまとめること。
モザイクとも呼ばれる。
観測を終了するにあたり、初期化と同じ観測を行うこと。
逆時間で解析を行う際に、初期値として扱われる。
→ 初期化
固体撮像素子に垂直に入射してレンズを通過した光が、結像する点。
データに意味付けし、評価を与えたもの。地形図等。
→ データ
作業をするための技術。
→ 方法
測量を行う基準となる地球楕円体。
公共測量では、測量施行令でGRS80の楕円体の使用が規定されている。
→ 地球楕円体、GRS80
→ 作業規程の準則
観測機器を、観測を開始するにあたり、初期状態を設定できる観測を行うこと。
GNSS測量機では整数値バイアスの決定、慣性計測装置では地球の重力や公転、自転の影響を測定すること。
→ 測深
測量の高さの基準とするための永久標識。恒久的に利用できるように埋設、保全される。東京湾平均海面と同じ重力ポテンシャル面からの高さ。
→ 基準点
準拠楕円体上に投影された経度方向と緯度方向の距離。
地理学的経緯度または平面直角座標によって表され、公共測量では表現する範囲が平面として仮定できるため、平面直角座標が使用される。
→ 位置
数値によって土地の表面(地面)を表現した形状モデル。
→ 数値表層モデル
数値によって土地の被覆を表現した形状モデル。
→ 数値地形モデル
→ 走査
狭義では、立体写真や三次元点群を原画とし、地形・地物を忠実に描画すること。
広義では、原画から地形図を作成するまでの工程全体をいう。
地形図が格納される矩形の範囲。
作業規程の準則に規定される数値地形図データファイル仕様における、値地形図のデータが格納されるファイル単位。
数値地形図データファイルの先頭で、メタデータが記述されたレコード。
紙地図で用いられる地図を読み取るために必要な図郭外の情報(図式など)と同等の情報が書き込まれる。
観測全体の点の数や配置、点間距離によって評価される測量精度の指標。
多角測量で使用される表現であるが、その考え方は全ての測量に適用できる。後者の意味では「図形が強い」、あるいは「測量の図形」といった表現もする。
人による目視判読を目的とした地形図表現のための基準。他に、投影法や図郭割り、地形・地物の種類や大きさ、分類、幾何構造等が規定される。
図式に従った表現ができるようにする加工。
外乱や操縦で生じる不規則な揺れを押さえる安定化装置。
立体を構成する2枚の写真から同一箇所を検出し、それらの視差々と外部標定要素を用いて標高に変換する手法。
準則では、自動標高抽出と規定されている。
→ 視差々
レーザ光線が照射された範囲。
形状は、観測対象によって変わり、一般には流線形として捉えられる。
レーザ光線が反射してくる楕円形と仮定される範囲の直径。
作業規程の準則では、正対する面から反射してくる場合、反射光は三次元のガウス分布をするとし、その最高点の半分の位置での面の直径としている。
→ スポット
対象物を、投影面に垂直な平行光線で投影すること。
測量では、上方からの投影をいう。
無限遠から投影された正射影の画像。
写真地図、写真図、オルソ、オルソフォト等とも呼ばれる。
測量機器を水平にし、鉛直軸を鉛直方向と一致させること。
偶然誤差の標準偏差。
→ 偶然誤差、標準偏差
設計どおりに測量が行われているかを確認する作業。
測量成果に対して、誤差が伝播する作業において行われる。
写真等から描画された地形・地物を、人間に読み取りやすくする整形作業。
設定した任意の範囲同士の相関が高いところを同一箇所とする手法。
画像相関とも呼ばれる。
水の透明度を表す単位。
透明度板を水中にゆっくりと沈めていき、目視できる限界を1セッキとする。
→ 透明度版
連続的な点観測による線形や面状の情報取得。
測量では、レーザを照射しながら回転させることや、ラインカメラを前進させながら画像を撮影することが該当する。
スキャン(Scan)とも呼ばれる。
走査幅の角度。
レーザが照射される断面の角度や画像が取得される画角の角度をいう。
地球上での位置を観測すること。
地球上での位置を観測するための信号を送信する人工衛星。
アメリカのGPSや日本の準天頂衛星等、多くの国が運用している。
測位のための情報を乗せた測位衛星からの電波。
測位衛星システム毎に複数の周波数を持ち、システム内の衛星は同じ周波数を送信する。
→ 測位衛星
河川、湖沼等の水面から水底までの深さを測定すること。
深浅とも呼ばれる。
長さ、質量、時間等の量を、基準の単位を用いて表現するための操作。
→ 観測、読定
距離や角度、時間等を測定し、その値を合理的に処理して地球上での基準に基づく位置を決定すること。また、測量した位置から地形・地物の形状を図化すること。これらを精度管理により精度を確保することの一連の作業。
測量法では、国若しくは公共団体が費用の全部若しくは一部を負担し、若しくは補助して実施する土地の測量をいい、地図の調整及び測量用写真の撮影を含むものとしている。
→ 測位
測量法で規定する公共測量を計画する者。
→ 公共測量
測量儀を頂点とする2地点で挟まれる角度を測定すること。
測量儀からの距離を測定すること。
音波によって距離を測定する装置。
空中から撮影される写真に基準点位置を知らせるために設置される標識。
→ 過誤
重力方向の長さ。
→ 位置、標高
→ 三次元形状復元
図形の描画落ち。
→ 欠測
立体写真における写真間の重複量で、標準重複より多い重複量。
一般には、航路方向では80%又は90%。航路間では60%。
→ 標準重複
基線に直交する方向の視差。
立体写真を用いた観測に先立ち、縦視差は除去される。
→ 基線、視差
客観的な事実の記録。写真地図等。
→ 情報
地球の平均海水面に一致する等ポテンシャル面(ジオイド)の形に近似した回転楕円体。
→ ジオイド、準拠楕円体
地表の起伏。
地表面を幾何学的・物理的に精密に抽象化するとともに、目標となるものの注記や行政区画を表現した地図。
→ 平面図
地形図を作成する測量手法の総称。
地表面やそれと関連付けられる地形・地物を一定の約束に従って具現化した表現。地形図もその一つである。
→ 地形図
現実と地図表現での大きさの比率を分数で表現したもの。
水平位置はその縮尺で表現できる精度で、高さはその縮尺に適用できる測量方法を基準とした精度で、表現は縮尺に応じた解像度で、全域を網羅できる内容とすることが慣例となっている。
→ 地図情報レベル
地図縮尺に相当するデジタルでの概念。
デジタルでは、表示縮尺を変えたり、表示内容を選択できたりするため、本質的には位置精度や表現内容を区別することが望ましいが、これをうまく表現する概念は育っていない。
→ 地図縮尺
地形、地物を分類するコード。公共測量では標準化が行われており、公共測量作業規程の準則で規定されている。
地形の凸部で尾根などの稜線、地形の凹部で谷などの谷線、同一方向に傾斜する斜面と他の斜面との交線などの傾斜変換線の総称。
土地の表面。
→ 表層
地表面に固定された全ての天然(樹木や河川等)及び人工(建物や道路等)の物。
地形学的な分類で、規模がおおよそ1m以上、10m未満のものをいう。
→ 微地形、極微地形
車載写真レーザ測量で使用される標定点。
→ 標定点
航空レーザ測量及びUAVレーザ測量で使用される標定点で、基本的には高さのみを持つ。
→ 標定点
センサの位置と姿勢を衛星測位と慣性計測から求めること。
GNSS/IMUとも呼ばれる。
一つ一つ検査すること。
公共測量では、測量作業機関が自らの測量資料や測量成果を検査することをいう。
測位衛星からの測位電波を受信する基準点。
衛星測位による位置観測のための補正情報提供にも使われる。
→ 測位衛星、測位電波、基準点
測角と測距を同時に行う測量儀。
英語表記を略し、TSとも呼ばれる。
→ 測角、測距、TS
直接定位による写真の位置と姿勢も同時に調整すること。空中三角測量の中の解析方法のひとつ。
空中三角測量と同義語として使われることもある。
→ 空中三角測量
定規や機械等の目盛を読み取ること。
→ 観測、測定
直径20cmや30cmの白い円盤。
セッキ板とも呼ばれる。
→ セッキ
ひとつの測量機器の中で誤差が累積されること。
慣性測量の特性で、衛星測位で補正することによって、正確な測量に利用されるようになった。
→ 直接定位
土地被覆も含めて全ての画素を上方からの正射影に変換した写真地図
一般には数値表層モデルを用いて変換されるが、より精度を高くするため建物には軒の形状データが使われることもある。
→ 写真地図、数値表層モデル
入射光が被写体表面を観測する点で、被写体表面の法線と入射光のなす角。
国土交通省の要領やマニュアル類では、直角から入射角を引いた値としているものもある。
一発のレーザ光からの反射を連続的に波形として記録できる方式。
ウェーブフォーム(Waveform)方式とも呼ばれる。
→ パルス方式
広い範囲を歪みが少なく撮影するカメラ。
複数の標準カメラを組み合わせた構造のものが測量では使用される。
極めて短い時間に急激な変化をする信号。また、その繰り返し。
一発のレーザ光からの反射をパルス信号として離散的に記録できる方式。
記録できるパルスの数が、機器によって限定される。
→ 波形記録方式、パルス信号
照射した音波や光波が反射して戻ってきたときの受信時の音や光の強さ。反射した物体や反射する物体までの距離によって代わる正規化数値。
測量では、音響測深やレーザ観測で観測される。
写真像の幾何学的な性質である共線条件に基づいて写真の外部標定要素を算出する計算。
空中三角測量の中で核となるブロック調整の主たる手法である。
バンドル法とも呼ばれる。
→ 共線条件、空中三角測量
カメラによって写し取られる対象。
レーザ光によって測定される対象。
地形学的な分類で、規模がおよそ100m以上、1km未満のもの。
→ 極微地形、超極微地形
地形・地物を忠実に描くこと。
ジオイドに対する日本水準原点を基準とする重力方向の長さ。
公共測量では使用される高さ。
→ 高さ
水準測量のときに用いられる物差しで、観測面に目盛が刻まれ、鉛直に立てて使用する。
箱尺やスタッフとも呼ばれる。
正規分布における平均からの離れ。
作業規程の準則では、全体の約68%を占める位置(これを「1σ」という)をいう。
→ 作業規程の準則
実用的に立体視をする際、最も高さを強調できる写真間の重複量。
航路沿いには60%、航路間では20%から30%。
数値表層モデル(DSM)を構成する表現として使われる用語で、土地被覆の表面。写真に写るところ。
→ 地表
基準となる座標系に合わせること。
標定のための一時的な基準点。
レーザ光(レーザビーム)が広がっていく角度。
要求される仕様に対する達成度合い。
→ 支障点除去
日本語訳は、長い間「写真測量」とされてきた。
写真からの三次元形状復元が測量分野以外の人にも利用されるようになり、測量分野以外の人には測量という表現に違和感があり、英語のまま使用していると思われる。したがって、測量の専門家以外でフォトグラメトリ-と呼ぶ場合、三次元形状復元と同じと考えられる。
なお、写真からの三次元形状復元(SfM)を指す場合には、Photogrammetryの訳は「写真計測」が適切である。
→ 写真測量、三次元形状復元
→ 偶然誤差
コンピュータ画面を分割し、それぞれに異なる視点から表示すること。
多視点から表示することで、測量成果を三次元で認識する。
→ 視点移動表示
→ 偶然誤差
適切に観測されているが、成果としては不要な点。
→ 誤測点
不等辺三角形で表現されたモデル。
不整三角形網、不規則三角網、TINとも呼ばれる。
→ TIN
地表面の水平位置を幾何学的・物理的に精密に抽象化するとともに、目標となるものの注記や行政区画を表現した地図。
→ 地形図
平面図を作成するための測量手法の総称。
日本大百科全書ニッポニカでは「起伏を考慮せず、ある投影面へ投影した平面図だけを求める測量」、測量用語辞典では「地球の曲率を考慮せず、平面を基準面とする測量」としている。ここでは、測量法施行令第一条第五号ニで「地形測量又は平面測量」と、地形測量と平面測量を区別しているため、「起伏を考慮」しない、つまり地形を表現しない測量とする。
→ 地形測量
狭い範囲を対象とした南北と東西の軸が平面上で直交すると定義した地図投影の座標系で、公共測量に用いられている。
平面直交座標系、公共測量座標系、19座標系等とも呼ばれる。
→ 平面直角座標系
図式に従って、図化成果を正描したり、行政界や注記を入力したりし、地形図データを作成する作業をいう。
利用者が行う較正。
製造業者が工場で行う較正(Lab Calibration)と区別するのに用いられる。
ボアサイトの語源は、銃腔(bore)を照準(sight)器により狙いに定めること。
→ 較正
観測だけで位置を決定する方法。
例えば、TSを用いる場合は方向角と距離の観測のみにより位置を、衛星測位を用いる場合は衛星からの受信電波と電子基準点による補正情報による干渉測位のみにより位置を観測する。
→ 電子基準点、干渉測位
目標を達せするためのやり方。
→ 手法
簡易的な測定方法で地形・地物の位置を測ったり調査したりすること。
→ 補備測量
測量用の観測機器を使用して地形・地物の位置を観測すること。
→ 補測
相対座標系におけるカメラの主点あるいはレーザ測距儀のレーザ光放出位置とIMUの向きの関係。
作業規程の準則で規定されている数値地形図データファイル仕様による最小データ単位をいう。
例えば、建物はその外周を表現する座標列が、道路は街区線として連続する座標列が、記号は位置を示す座標が、ひとつの要素とされている。
基線方向の視差。
→ 視差、基線
ファックスと同様にライン状の固体撮像素子によって被写体を画像化するカメラ。リニアカメラと呼ばれることもある。
測量用のラインカメラでは、前方、直下、後方の3方向に向けて連続中心投影の航空写真が撮影され、それぞれが前方視、直下視、後方視と呼ばれる。
→ エリアカメラ
光が物質に入射して散乱する際に、散乱光の中に入射した光とは異なる波長の光も含まれること。
→ 偶然誤差
異なる場所から重複して撮影された写真を用い、視差々を利用して地形・地物を3次元で観測すること。
→ 視差々
被写体を違う位置から重複して撮影した写真。地形図作成には、人の目と同様に同一方向を向けて撮影された2枚の写真をいう。三次元点群作成では、撮影間隔を狭くしたり、撮影方向を変えたりして、多くの写真で構成されることもある。
実体写真と呼ばれることもある。
異なる場所から重複して撮影された写真を用い、視差々を利用して地形・地物を3次元で描画すること。
→ 視差々
レーザ光によりレーザの照射口から対象物までの距離と方向を観測する測量機器。
→ レーザプロファイラ、レーザスキャナ
レーザ光の照射方向を回転させるとともに、その直交方向に本体を回転させて走査し、周囲を三次元観測するレーザ測距儀。
→ 走査、レーザ測距儀、レーザプロファイラ
レーザ光の一定方向に回転させて断面形状を観測するレーザ測距儀。
LPとも呼ばれる。
→ レーザ測距儀、レーザスキャナ
相対座標系におけるカメラの主点あるいはレーザ測距儀のレーザ光放出位置とGNSSアンテナの位相中心の位置関係。
実際には、GNSSアンテナ、カメラ及びレーザ測距儀、それぞれの表面に印された標識間の位置関係で代用。
レンズの歪みの一種で、像がレンズの焦点距離によって樽型や糸巻き型に歪む収差。
→ 収差
航空レーザ測深の略称。
製図や設計を支援するコンピュータシステム。
現在では、地図作成や地理情報解析等にも利用されている。
作業規程の準則に規定されている公共測量標準図式の数値地形図データファイル仕様の別称。
→ 作業規程の準則
衛星測位の精度低下率。
衛星の疑似距離に単位の誤差があったとき、測位結果に何倍になって現れるかを示す指標で、配置のよい衛星を使用した場合に値が小さくなる。
幾何学的に位置、水平、垂直、時刻等の精度低下率が定義されている。
全球測位衛星システム。米国のGPSといった衛星測位システムの総称。
GNSS測量機(Global Navigation Satellite そくりょう き)
測位衛星からの測位電波により位置を観測するための測量機器。
→ 測位衛星、測位電波
国際測地学および地球物理学連合が定義した地球楕円体の長半径及び扁平率。
→ 地球楕円体
→ 慣性計測装置。
→ レーザプロファイラ
車屋上に装備したカメラから撮影した写真やレーザプロファイルによる観測値を用い、地形図や三次元点群を作成する測量手法。
観測位置を取り囲む複数の固定局で受信した測位衛星の電波から、観測位置近辺に仮想の固定局を生成して干渉測位に供したり、観測値の補正情報を提供したりする衛星測位手法。
→ フォトグラメトリ-
固定局と観測位置で同時に測位衛星からの電波を受信するとともに、固定局側の測位電波を観測側の機器に送信して実時間で干渉測位を行う衛星測位手法。
→ 走査
→ 三次元形状復元
→ 三次元形状復元
SfMは空中三角測量を、MVSは自動標高抽出を意味します。
ただし、SfMとして処理される空中三角測量は、測量分野で求められる精度の厳しい制約なし。これに伴い、自動標高抽出の結果も、精度の概念なし。
→ SfM
不整三角網の別称。
→ 不整三角網
トータルステーションの略記。
→ トータルステーション
TSを用いた地形測量で、TSを標定するためだけに用いられる標定点で、放射法で設置される一時的な基準点。
→ 標定点、放射法
無人航空機。一般にはドローンと呼ばれる。
公共測量のための作業規程の準則に規定されたUAV写真を用いたSfMによる三次元点群データを作成する測量方法法
→ UAV、公共測量、作業規程の準則、SfM、三次元点群データ
UAVから撮影した写真
→ 空中写真